「どうでしたか?先生」

 

 

 リビングに戻ってきた霞を見て、芥が弾かれたように立ち上がる。時計を見れば19時前。

 

 

「教えてもらって良かったよ。右上腕を怪我していた。近所に薬局は?」

 

「あります」

 

「なら、処方箋をここで出そう。飲み薬だ。痛み止めと化膿止め」

 

「……そんなに酷い怪我を?」

 

 

 芥の顔が曇る。霞は首を横に振った。

 

 

「念のためだよ。傷そのものは大きくなかったし、応急処置もしてあったようだけど、時間が経っていたからね」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ、『此処に来る前』のものだそうだ」

 

「前……」

 

 

 咄嗟に、あの時の記憶を呼び起こそうとする。ドッグファイトの前……逃亡……その前は?

 

 

「山吹君」

 

 

 霞の呼びかけが、芥の意識を引き戻した。

 

 

「あ、はい」

 

「今日明日とは言わないから、また彼とゆっくり話す時間を取ったら良い。慌てない事だね」

 

「ああ……わかりました。ありがとうございます」

 

「終わったんですか?先生」

 

 

 彩が茶菓子とコーヒーセットを持って入ってきた。

 

 

「点滴終了待ち。これで、明日には食欲も戻ってくると思う。後は君の手作り料理を食べれば一気に回復するよ」

 

「ありがとうございます。料理、頑張っちゃいますね!」

 

 

 ふふっと笑って、彩はコーヒーを霞に勧めた。早速頂きながら、芥に通院の件を切り出す。

 

 

「それと、右腕の怪我は数日フォローさせてもらいたいんだが。通院は出来そうかな?」

 

「え、統クン、怪我してたんですか?!」

 

「ちょっとね」

 

 

 彼女には詳細を伝えないほうが良いだろうと、霞は軽く返した。

 

 

「手当ては済んだけど、やっぱり清潔の保持がね。昼過ぎに来てもらえれば待たせずに処置出来る。どうだろう」

 

 

 二人は顔を見合わせた。考えた事は一緒のようだ。

 

 

「明日明後日は、彼は仕事なので。私がタクシーで付き添いしても良いですか?」

 

「勿論だよ。すぐ隣にスーパーがあるから、ついでに買い出しもお薦めだ」

 

「そうなんですか?それなら私も助かっちゃいます!」

 

 

 効率重視の彩の言葉に苦笑しながら、芥が付け加えた。

 

 

「その次の日は俺が付き添います。どうでしょうか?」

 

「OK。三日連続で来てもらえれば安心だ」

 

 

 予定が決まったところで霞が手書きの処方箋を芥に渡す。

 

 

「じゃあ、ちょっと行ってきます」

 

「ああ、よろしく。点滴が終わるまで、もう少しゆっくりさせてもらうよ」

 

「ありがとうございます。彩、よろしくね」

 

 

 上着を羽織り、芥は家を出た。

 

 

(あれだけの時間と化膿止めが必要な怪我……一体何があったんだ、あの時に)

 

 

 記憶の巻き戻しと怪我の原因の推理が、彼の中で再び始まっていた。

 

 

-------

 

 

 薬の受け取りに手間取った芥が家に戻った時、霞は既に居なかった。彩はキッチンでクリームスープを温めている。

 

 

「先生は10分くらい前に帰られたわ。薬を飲む前に、少しでも食べ物を胃に入れるようにって」

 

「そうだね。スープなら口当たりも良いだろうし」

 

「もうすぐ出来るから、持ってってあげて」

 

「わかった」

 

 

 既にテーブルの上に用意されていた夕食をつまみながらスープの出来上がりを待った。いつもなら『行儀が悪い』と小言を言う彼女も、今日は大目に見てくれる。

 

 

「はい、そしたらこれ。よろしくね」

 

「ありがとう」

 

 

 スープカップと薬を乗せたトレーを持って、芥は統のもとへ向かった。ノックし、一呼吸置いてからドアを開ける。

 

 

「入るよ。どう?気分は」

 

 

 統は起きていた。布団の上で、膝を抱え込んでいる……ゆっくりと此方を向いた瞳が、僅かに澱んで見えた。

 

 

「夕方よりずっと楽だ。点滴ってすげーな」

 

 

 言葉と裏腹に抑揚の無い声。倦怠感のせいだけではない。

 

 

「それなら良かった。じゃあ後はこれ、少しでも良いから腹に入れて。その後でこの薬な」

 

「……ああ」

 

 

 素直にスープを食べる。最初の一口で『美味いな』と呟いた以外は終始無言だった。それでも食欲は戻りつつあるようで、最後まで残さず平らげた。

 

 

「全部いけたな、良かった」

 

「サンキュ……美味かった」

 

 

 芥は空になったカップを受け取り、続いて薬と水を渡す。

 

 

「ほら」

 

「うん……」

 

 

 受け取りはしたが、統は一向に其れを飲もうとしない。じっと自分の手もとを見つめている。

 

 

「……芥」

 

 

 ややあって口を開いた。

 

 

「ん?」

 

「何も聞かねーのか」

 

 

 俯いたまま。

 

 

「……いや、」

 

 

 勿論、聞きたい事は沢山ある。この数十分間で考えた仮説を確かめたいとも思う。だがそれらはいずれも、彼を追い詰めてしまうような気がした。

 

 

『……慌てない事だね』

 

 

 霞のアドバイスを思い出し、芥は穏やかに言葉を返した。

 

 

「話したくなったらで良いさ。まずは怪我を治して元気になることが先。な?」

 

 

-------

 

 

「どうだった?」

 

「ああ、昨日よりもだいぶマシって言われた。ありがとな」

 

 

 通院二日目になり、統の体調も徐々に復活してきた。元気になれば思考もポジティブになってくるようだ。夕食の買い出しをしながらの会話も弾む。

 

 

「霞先生はホントに腕が良いのよ。しかも優しいし、格好良いし」

 

「おいおい、そんな事言って良いのかよ」

 

「え、何が?」

 

「だってアンタにゃ芥がいるじゃねーか。その……だだ、だ、ダンナだろ」

 

「やだ、何でそこでキミが照れるのー」

 

 

 コロコロ笑いながら彩は手際良く食材をカゴに入れていく。

 

 

「確かに芥も優しい人だけどね。でも特にそう感じるようになったのは、統クン達の世界から戻ってきてからなの。それより前は……何て言うのかな、どこか危なっかしいところがあってね。『こんなんで生きていけるのかな、この人』って何度も思ったわ」

 

「……想像つかねーや」

 

 

 思わず溜め息をついた。反射的に彼の脳裡に蘇るのは、『つい数日前まで』仲間だった芥の姿。死と隣り合わせの日々を共に生き延びようと必死に藻掻いていた、あの姿だ。

 

 

「……統クン?」

 

 

 遠くで自分を呼ぶ声がした……いや、違う。

 

 此処は。

 

 

「大丈夫?気分悪い?」

 

 

 彩の声が、隣から。

 

 

「ああ……大丈夫。ちっとぼんやりしちまった」

 

 

 ゆっくりと意識が身体感覚にシンクロする。『心配ねーよ』と笑って見せれば、彼女も安心したように笑顔を返してくれた。

 

 

「そう?無理しないで、何でも遠慮無く言ってね」

 

「サンキュ。それよりさ、芥って何の仕事してんだ?」

 

 

 彼女との会話に重苦しい空気は要らない。統は話題を変えた。

 

 

「昨日も結構遅くに帰って来てたし、今朝は俺が起きた時はもう居なかっただろ」

 

「確かに、時間は不規則ね。ちょっと特殊な仕事ってせいもあるけど」

 

「特殊?」

 

「うん。一応の肩書きは『会議コーディネーター』なんだって」

 

「……何ソレ?」

 

 

 聞き慣れない言葉に目をぱちくりさせる。

 

 

「ホントは、私もよくはわかってないんだけどね」

 

 

 言いながら、彩は知っている限りの事を説明し始めた。

 

 

「この国だけじゃないけど、時々『○○国際会議』みたいなのが開かれるの。ジャンルは色々。芸術家が集まるのもあれば、社長さんとか偉い人ばかりが来るのもあって、でも国際会議って言うくらいだから、とりあえず外国から色んな人が集まって来るわけ」

 

「そしたら、結構でっかい規模なんだ?」

 

「らしいわ。大きなのだと、千人以上の人が集まるんだって。だから裏方さんも沢山必要なんだけど、芥はその裏方さんの一人。

 特に会議の道筋を作る係、って言ってたわね。会議の主催者さんとかと打ち合わせしたり、参加する人や講演に出てもらう人を集めたり……あと、広報活動とかもするって言ってたわ」

 

「へー……」

 

 

 さっきとは違う溜め息が出た。内容は結局よく解らないままだが、スケールの大きい仕事だと言うのは理解した。

 

 

「でも何かさ、芥に合ってるって感じだよな。アイツいくつか外国語、喋れるんだろ?」

 

「そうなの。会議の時には同時通訳とかも必要になるから、時々人手が足りないと駆り出されてるみたい」

 

「そりゃ大変だな」

 

「でも会議の無い日とかは観光に出かけたりする事もあるんだって。ガイドを頼まれたりするけど、こっちはまだ気楽よね。それに、たまに奢ってもらえるから役得だって言ってた。ちゃっかりしてるところはしてるのよ、あれで」

 

 

 ……確かに芥はリーダー向きでは無い、だが意志の強さは相当だ。周囲に自分を合わせるのが上手いが、決して流されはしない。目立たなくとも、全体を陰から支える力量がある。

 それは、31での付き合いで分かった事。

 

 

(良かった、ホントに……)

 

 

 彼だからこそ出来る、人と人を繋いでいく仕事。

 そこで彼は、争い傷つけ合うためでなく、互いの理解を深め繋がりを作るために言葉を操る。

 

 そう。此処が、芥がいるべき世界。

 

 

-------

 

 

 この日の夜も、芥はなかなか帰って来なかった。

 だが明日は休みだから急ぐ必要も無い。彩が夕食後ものんびりとしていたので、統もリビングで寛いでみる事にした。ラックに入っていた雑誌を手にしてみたり、テレビ番組を眺めてみたり……と、合間にどこからか水音がするのに気付いた。

 尋ねてみれば、キッチンの蛇口がここ数日水漏れしていると言う。

 

 

「そんなに難しい修理じゃないんだけどね」

 

「芥はやってくんねーのか?」

 

「やらない訳じゃないけど、こう言うDIY的な事には腰が重いのよ。不器用だからって」

 

 

 苦笑する彼女を見て、彼は思うより先に言っていた。

 

 

「俺、やろっか」

 

「え?」

 

 

 彩の瞳がくるんと瞬く。

 

 

「俺、機械整備とかやってたから。こういうのは得意中の得意なんだ」

 

「腕は大丈夫なの?」

 

「それくらいなら全然平気さ。どーせ時間もあるし、良ければちっとやらせてくれよ」

 

「ホント?ありがと、助かっちゃう!!」

 

「道具は?」

 

「あるわよ。パッキンとかも一緒に……待っててね、見てくるわ」

 

 

 ホント助かるわ!ともう一度言って、彼女は納戸に向かった。統にしてみれば本当に簡単な作業だが、役に立つのなら嬉しいものだ。

 

 

 

「……あれ、統?何やってんだ」

 

 

 修理を終えて道具を片付けているところで芥が帰って来た。蛇口を直したと返せば『それなー』と、少しバツの悪い顔になる。

 

 

「彩に言われてたんだけど、ついつい後回しにしちまってて」

 

「このくらい構わねーよ、芥だって毎日忙しいんだし。俺もそろそろ何かしねーと身体が鈍っちまいそうでさ……よっしゃ」

 

 

 試しに蛇口を捻れば、キュッと気持ちの良い音が響いた。

 

 

「サンキュ。腕は大丈夫なのか?」

 

「おかげさんで順調だってさ。明日で通院も終われそうだって、医者も言ってくれたし」

 

「そうか、良かったな!」

 

 

 我が事のように喜び、芥は彼の肩をぽんぽんと叩いた。

 その笑顔に、心がチクリと痛む。

 

 

(……君の事をとても心配している)

 

 

 霞は彼に傷の内容は伝えていない、それは確かだ。だが芥も、自分の怪我を知った時からその原因を考えているに違いない。

 

 

(余計な心配はかけたくねーけど……もう散々、迷惑かけちまってるよな)

 

 

 何も話さないでいるのは、結局自分のエゴなのか。

 『話したくなったらで良い』と言ってくれた彼に甘えてるだけなのかもしれない。

 

 

(……君が彼の立場でも同じように思うのかな)

 

 

 黙っている事で、更に彼を傷つけているとしたら。

 

 

(『知りたくなかった』と言って悲しむんだろうか……)

 

 

「……芥」

 

「ん?」

 

「後で、部屋に来てくんねーか?急がねーからさ……話してぇ事があるんだ」

 

 

-------

 

 

 芥がやって来た時には、日付が変わっていた。

 

 

「ゴメンな、遅くなって」

 

「いや、芥だって疲れてんのに……彩さんは?」

 

「もう休んでる。大丈夫だよ」

 

 

 ヨイショと腰を下ろし、芥は両手に持っていたマグカップを一つ彼に渡した。立ちのぼる仄かなレモンの香りに心が解けていく気がする。統は香りを吸い込むように大きく息をついた。

 

 

「……すまねーけど、先に……聞きてぇ事があるんだ」

 

 

 長い沈黙の後、一旦手にしたマグカップを横に置いて、統は漸く口を開いた。何から話せば良いのか考えあぐねているようだったが、それでもぽつりぽつりと言葉が零れ出て来る。

 

 

「良いよ。何?」

 

 

 芥は焦れること無く、彼の言葉を待った。

 

 

「……F国に飛んだ時の事、未だ覚えてるか?」

 

「ああ、勿論」

 

 

 芥は頷く。3年前……統の中では僅か数日前の、あの出来事。

 

 

「あの時、アンタ……黄丹に捕まってたんだよな?」

 

「そう。誠が助けに来てくれたんだ、それでお前と仁とも合流出来た」

 

 

 俺の記憶、合ってるよな?と問えば、統は小さく頷いた。

 

 

「そう、アイツがアンタを助けに行った……そン時、アイツから何か聞かなかったか?」

 

「何か……?」

 

 

 芥は細い記憶の糸を手繰った。誠の様子と言葉で、事態の急変を感じたあの時。

 

 

「正確には思い出せないけど……」

 

 

 亡命を決意する決め手となった彼の言葉は。

 

 

「黄丹が、死んだ……って」

 

 

 統の全身が一瞬、大きく振るえた。その反応が、芥の推理の中で曖昧になっていた最後のピースをカチリとはめこんだ。

 

 

(黄丹の死と彼の怪我には直接の因果関係がある……だとしたら)

 

 

「……統」

 

 

 呼びかければ、彼は観念したかのように力無く笑った。

 

 

「やっぱ知ってたか……じゃあ、ホントに黙ってちゃ申し訳ねーばっかしだな」

 

 

 芥は確信した。自分を助け出す為に、彼等は……。

 

 

「黄丹にやられたんだな?その腕」

 

「ヘマしちまって撃たれたんだ……情けねー話だけどさ」

 

 

 語尾が震えそうになるのを必死で堪え、統は話を続ける。

 

 

「俺がラボに入った時、ヤツは誠を殺ろうとしてたんだ。でも俺じゃヤツを止められなかった……」

 

「じゃあ、仁が……」

 

 

 確認のための一言。統は再び頷き……遂に芥の視線に耐えきれなくなってぎゅっと目を閉じた。

 

 

「……腕の事を言ったら、ヤツとやりあった事も話さなきゃなんねーって解ってたからさ……芥をまた傷つけちまうんじゃねーか、とか思って今まで言えなかった……ホントはそんなんじゃねーのにな」

 

 

 あの時も、何も出来なかった……そんな自分を認めるのが嫌で、芥を理由にして現実から逃げていただけ。

 

 

「ヤツだって、俺が一発で殺ってりゃ仁の手を汚させる事も無かったんだ。なのにこのザマで……」

 

 

 もう何も言えなかった。自分が心底情けなかった。

 

 

「……すまねぇ」

 

 

 芥の怒りを覚悟し、統は正座した膝の上で拳を握りしめる……だが。

 

 

 

 

「……馬鹿野郎」

 

 

 返ってきたのは、罵倒と言うにはあまりにも弱々しい芥の声だった。

 

 

「え……」

 

 

 その声音に困惑する間もあらばこそ。

 統は彼の腕に抱え込まれた。

 

 

「それだったら、謝らなきゃいけないのは俺のほうだ。俺が原因で皆の命を危険に晒す事になっちまったんだから」

 

 

 思ってもいなかった彼の言葉……違う、そんな事を言わせたかったんじゃない。

 

 

「……ンなワケ無ぇ!」

 

 

 ぐ、と芥の肩を掴んで引き剥がし、彼の瞳を真っ直ぐ見る。

 

 

「アンタが31に来てくれたから俺は……いや、俺達は救われた。アンタが、敬の事を信じる気持ちを俺達にくれた。希望をくれた。だから踏ん張れたんだ!」

 

 

 必死だった。この言葉にだけは嘘は無いと分かってほしかった。

 二人の視線がぶつかり、長い沈黙の時が流れる……そして。

 

 

「……俺も同じさ」

 

 

 芥に笑みが戻った。

 

 

「皆のお陰で俺は希望を捨てずに済んだ。そして生き延びられたんだ。別の世界に跳んだ時だって、皆が必ず何処かで生きていると信じられたからこそ、頑張る事が出来た」

 

「……」

 

「ありがとう。お前にも、皆にも、どれだけ感謝しても足りないよ」

 

 

 統は何も言えない……だがその瞳からは、いつの間にか涙が溢れていた。

 

 

「ありがとう、統」

 

「……っあああ!!」

 

 

 繰り返される感謝の言葉に、彼は堪えきれず声をあげて泣きだした。

 常に焦燥感に駆られ、生き延びるだけで必死だった日々が脳裡を過ぎる……なのに、一方で心から湧き上がってくる想いは、自分でも信じられない程に満ち足りていた。

 

 それは芥への、そして唯一無二の仲間への感謝の気持ち。

 ずっと自分の小さな殻を守るのに必死だった事を恥じた……だがその何倍も、皆の優しさが身に染みた。

 

 

「ありがと……ありがとう……芥!」

 

 

 今までどうしても言えなかった一言が自然とこぼれ落ちる。抑え込んできたあらゆる感情が、一気に堰を切って流れ出す。だが統は、もうそれらを制御する術を持たなかった。

 

 

(ありがとう……みんな!)

 

 

 何度も『ありがとう』を繰り返しながら、小さい子どものように泣きじゃくる。

 

 

「俺のほうこそ、ありがとな。本当に、また会えて良かった……」

 

 

 芥は彼をしっかりと抱きしめ、あやすように背中をぽんぽんと叩いてやった……彼が泣き疲れて眠りに就くまで、ずっと。

 

 

 

>>>Familie(4)

 

 

20130401-0430-20190426