Murmeln-3-

ぽつぽつと、独り言。


Mond

月にはウサギがいるなんて

遠い昔のおとぎ話


平凡な岩の塊

そんな月にも

夢はあったのかもしれない

だだっ広い宇宙を飛び回りたいという

果てのない夢が


けれども月は
地球の引力に自由を奪われ

 

地球も太陽に自由を奪われ

 


それでも宇宙の法則に従っている



月にも夢があったのかもしれない

けれどもそんな素振りは微塵も見せず

ただひたすらに あの天空で

のんびりと楕円軌道を描いてるんだ



恒河沙


彼はどこまで行くのだろう

その髪を靡かせ
決して振り返らない


彼はどこまでも突き進む

 

光溢れる丘を
太陽に向かって

黄金の輝きが彼の輪郭を切り取り

 

その存在を包み込んでいく


栄光と祝福に包まれ

だがそれに奢る事無く

 

気付く素振りも無いままに



彼が目指す場所は何処なのだろう

 

 

誰も知らない


此の世界ではない 何処か

 


恒河沙(ごうがしゃ)。
遙か彼方の更に向こう。



Destructive Impulsion

不意に湧き上がった 強い怒り

 


僕は何故 囚われたのだろう


季節を無視した暑さだった あの日

 

心の隙間に
悪魔が するりと滑り込むように

 


瞬きする間すら無かった

 

一瞬の罠


唐突に

 

僕を取り囲むビルも木々も

傍らを駆け抜ける子供達も

ぬるい風も木漏れ日も川の潺も

 

そして僕自身も

 

みんな消え去れば良いと思った

 

 

あの感覚

 

破壊衝動


あの時 あの場所で

僕がもしも一人でいたなら

 

 

「それ」は確かに遂行されただろう

 

 

 

紙一重のバランス

 

現実の足場が崩れる直前

僕を救ってくれた『何か』

 

 

それから あの悪魔は顔を出さない

 

だけど 今も

心の奥深くに

息を潜めて留まっているのを

 

僕は知っている

 

 

だからこそ忘れてはいけない

 

「それ」を意識から消すべきではない

 

 

あれは警告

そのおかげで僕は今 笑って生きている

 

May,2009.

June,2016 改訂